第38回 トイレのトラブル、うれション
滝田雄磨 獣医師
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子犬、子猫を家族に迎え入れ、おそらく最初にするトレーニング。トイレ。
トイレを上手に使えないと、掃除が大変です。
今回はそんなトイレに関する知識、トラブルについてご紹介します。
生きているうえで生じる、不要な老廃物(糞尿)を外に出す排泄。
犬猫たちにとっての糞尿は、老廃物として排出するだけでなく、
糞尿のニオイを通して、他の犬猫とコミュニケーションをとるという役割もあります。
コミュニケーションと言っても、他の犬猫たちと仲良く遊ぶためではなく、ナワバリを示すという役割です。
成犬となった犬がマーキングをする行動も、このためです。
トイレのトラブルを考えるには、まずどこまでが正常でどこからが異常と考えなくてはならないのかを知る必要があります。
異常であった場合は、疾患の可能性も考える必要があります。
●量
犬:1日に20~40ml/kg (体重5kg→100~200ml)
猫:1日に15~30ml/kg (体重5kg→75~150ml)
●回数
犬:1日に3~8回
猫:1日に2~4回
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●姿勢(マーキング)
犬♂:後ろ足をあげ、なるべく高い場所に排尿。
犬♀:かるく腰を落として排尿。
猫:少量を垂直に噴霧(スプレー)
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●回数と量
少量の尿を何回にも分けて排泄します。
普段の生活範囲(テリトリー)を超えると、マーキングは増加します。
主に自分のナワバリを示すために行われるマーキング。
少量の尿を何回にも分けて排泄します。
普段の生活範囲(テリトリー)を超えると、マーキングは増加します。
●位置
なるべく高い位置に排尿し、自分の体が大きいと誇示しようとします。
他の犬の尿のニオイを見つけると、その場所にかぶせてマーキングしようとします(カウンターマーキング)。
●予防
避妊、去勢手術をすることで、マーキング行動を減らすことができます。
ただし、手術をしてもマーキング行動が続くことがしばしば見られます。
手術後にマーキングを続けさせないようにするにはコツがあります。
手術の前に、本人がマーキングしていた場所を徹底的に清掃します。
手術後、2週間ほど、本人がその場所に近づけないようにします。
こうすることで、マーキング行動の再発をより減らすことができます。
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犬が興奮したときに、失禁をしてしまうことがあります。
特に嬉しくて興奮したときの失禁を、俗にうれションと呼びます。
多くの犬は、遅くても3才を超えるとうれションが少なくなります。
うれションを治すコツは、興奮させないことです。
飼い主が帰ってきた時にうれションをしてしまう犬の場合は、興奮状態のときは無視をし続ける必要があります。
失禁してしまった場合は、犬を無視しつつ、黙って清掃します。
このときに失禁したことに対して叱ってしまうと、犬は構ってもらえたと喜んでしまいます。
徹底的に無視し、興奮が落ち着いてきたら、コマンドをあたえ、ご褒美をあげます。
こうすることで、興奮しているときは構ってもらえないことを学習し、うれションを減らすことができます。
うれションには、実は服従の意味もあります。
服従心の強い犬の場合は、減らすことが難しいかもしれません。
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子犬のトイレトレーニングのコツです。
基本的な教え方は、排泄行動を察知し、 トイレに優しく誘導し、コマンドをあたえ、 成功したら褒める、ご褒美を与えるです。
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排泄に関するトラブル、うれション、トレーニングなどについて紹介しました。
不適切な排泄はトラブルにつながってしまいますが、裏を返すと、上手にトイレができればコミュニケーションをとるチャンスでもあります。犬も飼い主もおたがいに楽しく生活するため、正しい知識を身につけましょう。